エヴァンゲリオン新劇場版の完結編である「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が、2021年3月8日に公開されました。
このページではエヴァンゲリオンの新劇場版に関して
- 「序破Q」のストーリーの振り返り
- 新要素についての考察
これらについてまとめておきます。
このページを読むことで「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」をより楽しむことができるはずです。
完結編を見る前に、今までのストーリーを復習しておきましょう。
この記事にはヱヴァンゲリヲン新劇場版「序破Q」のネタバレが盛大に含まれているので、ご注意ください。
また当記事で使用している画像の引用元は、株式会社カラーです。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版とは?

ヱヴァンゲリヲン新劇場版は、1995年からテレビで放送開始された新世紀エヴェンゲリオンのリメイク作品です。
作り直しされたことで、映像がかなり高画質となっています。
またアニメ版の表記は「エヴァンゲリオン」でしたが、新劇場版の序破Qは「ヱヴァンゲリヲン」という表記になっています。
庵野監督は元々の構想として、エヴァを若い人たちの手でガンダムのようにシリーズ化していって欲しいと考えていました。
しかし、そのためにはまず自身が見本を示す必要があると考え、全く新しいエヴァンゲリオンを作り出すことを考えます。
そのための第一歩として「オリジナルのアニメ版を知ってもらう総集編」という位置づけで、新劇場版の制作が始められました。
インタビューの中で、本来は半年に1作ペースで公開し、1年半で完成する予定だったと語られています。
しかし、総集編を作成していく中で、そこに新しいエヴァンゲリオンの要素も取り入れることになったのです。

つまり、新劇場版は、
- 旧作(アニメ版・旧劇場版)の総集編
- 新しいエヴァンゲリオン
この2つが融合された作品となっています。
旧作である「アニメ版」と「旧劇場版」のストーリーを知りたい方は、下記の解説記事を読んでみてください。


ヱヴァンゲリヲン新劇場版「序破Q」のストーリー
「序」のストーリー
序はアニメ版6話のヤシマ作戦までの内容をほぼ踏襲しています。
失踪した父親に突如呼び出された主人公の碇シンジ。
国連直属のNERV本部で、最高司令官である父親からエヴァンゲリオン初号機に乗って使徒と戦うように命令されます。
エヴァへの搭乗を拒否するシンジでしたが、大怪我をした綾波レイが搭乗しようとする姿を見て、自分がエヴァに乗ることを決意します。
しかし、結果は惨敗。
最終的に暴走した初号機によって第4使徒は殲滅されました。
そして、シンジはミサトと一緒に住むことになり、第3新東京市で新しい生活が始まります。
その後、第5使徒の襲撃がありますが、シンジの独断でかろうじてこれを撃破。
しかし、続いて襲撃してきた第6使徒の砲撃で、初号機は大破しシンジは大怪我を負ってしまいます。
地層の装甲を破って刻一刻と迫ってくる第6使徒に対し、NERVは日本全国から電力を集め、エヴァに陽電子砲で狙撃させるヤシマ作戦を考案。
エヴァに乗る恐怖から作戦参加を拒むシンジでしたが、ミサトやみんなの決意を知り、作戦に参加することを決意します。
一撃目の狙撃では仕留めることができず、使徒に反撃されてしまいますが、レイが乗る零号機が身を挺して初号機をかばいます。
そして、続く2撃目で使徒を撃破し、序の物語は終わります。
「破」のストーリー
タイトルの「破」という言葉どおり、これまでのエヴァ作品を破った作品となりました。
アニメ版のエピソードを踏襲しつつ、新たなキャラクターや使徒が登場し、アニメ版とは違った展開に進んでいきます。
その中でも重要な役割を担っているのが、エヴァの新パイロットである「真希波・マリ・イラストリアス」。

このマリを物語の中心におくことで、新劇場版は大きく転換していきます。
またその他にも、シリーズでお馴染みのアスカが「式波・アスカ・ラングレー」と名前を改めて登場。
「エヴァでしか人と繋がれないだけ」と言っていたレイも、クラスで自分から挨拶をしたり、シンジのために料理を作ったりといった変化が起こります。
そして、レイの食事会のためにアスカはエヴァ3号機の起動実験に参加するのですが、第9使徒に乗っ取られたことで3号機が暴走。
シンジはアスカが3号機に乗っていることを知り、戦うことを拒否しますが、ダミープラグに切り替わった初号機が3号機を破壊し、エントリープラグを噛み砕きました。
アスカは一命を取り留めることができましたが、シンジは自らの手でアスカを傷つけてしまったショックからエヴァを降りることを決意します。
しかし、強敵である第10使徒がNERVを襲撃し、レイが零号機もろとも取り込まれ融合してしまいました。
その事を知ったシンジは、レイを助けるため再度エヴァに乗り使徒との戦いに身を投じます。
戦いの中で、シンジの想いに呼応する形で初号機が覚醒。
そして、覚醒した初号機によって「サードインパクト」が発動されてしまいます。
しかし、カヲルが乗るエヴァンゲリオンMark.06の放ったカシウスの槍が初号機を貫き、サードインパククトは止められました。
「Q」のストーリー
舞台は前作から14年後の世界で、完全にオリジナルのストーリーとなっています。
冒頭はアスカとマリが宇宙空間に封印されていた初号機をサルベージするシーンから始まります。
目を覚ましたシンジが見たのは、NERVに反旗を翻したかつての仲間たちの姿でした。
ヴィレという組織を名乗り、艦長であるミサトを中心に空中戦艦AAAヴンダーを操ってNERVと交戦状態にありました。
ヴンダーはドイツ語で「奇跡」という意味です。
ミサトたちに監禁されたシンジでしたが、NERVから送り込まれたレイのクローンと一緒に逃亡。
NERV本部でカヲルと出会うことになります。
そして、14年前に自分の手で擬似的なサードインパクトである「ニア・サードインパクト」を引き起こしてしまったことを知ります。
深く絶望するシンジに対し、カヲルはやり直す方法があることを告げ、2人はエヴァ13号機に乗ってセントラルドグマに安置された2本の槍を目指します。
その結果、シンジはフォースインパクトを引き起こしてしまいそうになりますが、カヲルの自爆によってこれを阻止。
再び絶望するシンジでしたが、アスカに手を引かれ、レイのクローンも一緒に「リリンが来れる場所」に向かって歩き出します。
新劇場版の新要素について考察
タイトルにある「:||」の意味とは?

完結編には「:||」という見慣れない記号が付いていますが、これは音楽のリピート記号ではないかと言われています。
つまり完結編のタイトルには「繰り返す」という意味が込められているということです。
新劇場版では、今までのタイトルに雅楽の概念である「序破急」が採用されており、Qではカヲルとシンジがピアノで連弾をする描写があります。
このようにエヴァは音楽に関連する要素が多いので、楽譜の符号というのは、かなり的を得ていると思います。
また今までのタイトルに「:(コロン)」が用いられていたこともあり、「||」の符号単体で終止線(フィナーレ)を表していると考えることもできます。
この場合だと、「物語は終わり」という意味合いで、完結編に合致するタイトルと言えます。
なぜアスカは「惣流」から「式波」になったのか?

新劇場版ではエヴァパイロットの設定が変わっており、整合性を合わせるためにアスカの名前を変えたと監督自らが語っています。
元々の名前である「惣流」は、大日本帝国海軍航空母艦「蒼龍」が由来となっていました。
新たな名前である「式波」は、海上自衛隊のあやなみ型護衛艦の同型4番艦「敷波」が由来となっています。
アスカの名前を変えることで、旧作とは違う作品だということをアピールする狙いもあったそうです。
またアスカの新たな設定として、精神汚染区域に突入したことで「エヴァの呪縛」を受け、ヒトではなくなっています。
そのため年を取ることがないのですが、ここは完結編で大きなポイントになると考えています。
真希波・マリ・イラストリアスについて

「破」から登場した新キャラ「真希波・マリ・イラストリアス」。
真希波の由来は、先述したアスカと同様に海上自衛隊のあやなみ型護衛艦の同型7番艦「巻波」からです。
エヴァのパイロットでもある彼女の正体は、今のところ不明となっています。
しかしながら、
- レイのオリジナル(碇ユイ)を知っているかのような発言
- 碇ゲンドウのことを「ゲンドウ君」と呼ぶ
- エヴァの「裏コード」を知っている
- 「Q」で冬月が持っていた昔の写真に、マリ似の女性が写っている
- 古い昭和歌謡を好んで口ずさむ
こういった事柄から推測するに、マリはゲンドウやユイの大学時代の同期と見られています。
またマリの容姿が若いことから、アスカと同様に年を取らないエヴァの呪縛を受けていると推測されます。
そして、先述した通りマリには「今までのエヴァを大きく変える」という重要な役割があります。
庵野監督もインタビューの中で、「新キャラクター、女性のエヴァパイロットをひとり増やすことを決めていた」と語っていました。
このマリの役割が象徴されるシーンとしては、マリがシンジと初めて接触した際に描かれています。
シンジの持つ音楽プレイヤーSDATは、「序」の時点でトラックの25と26が繰り返しループされていました。
これはアニメ版と旧劇場版の最終2話を表す数字で、言うなれば今までのエヴァンゲリオンを表しています。

しかし、「破」でSDATがマリの手からシンジに渡る際に、新たなトラック27へと移行します。

これはマリという新たなキャラクターを起点に、エヴァンゲリオンは新しく生まれ変わっていくということを示しています。
また「Q」で壊れたSDATをカヲルに修理してもらった際に、トラックは28へと移行しています。

このことから、カヲルもマリ同様に、エヴァンゲリオンを新しく生まれ変わらせる役割を担っていると考えられます。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版「序破Q」のストーリーをわかりやすく解説!│まとめ
新劇場版が公開されてから10年以上経過しているにも関わらず、完結となる最新作を待ち望んでいたエヴァファンは本当にたくさんいます。
アニメ版の結末のように、物議を醸すような終わり方になるのか?
それとも伏線や謎などを回収し、スッキリした終わり方になるのか?
どんな終わり方になるのか、自身の目で確認しましょう。
それと、Amazonプライムビデオのラインナップに「序」「破」「Q」も加わったので、この機会に新劇場版を一気見するのもおすすめです。
特に「Q」に関しては「破」から14年もの月日が流れており、急展開でかなりわかりずらいので、一度見直しておくと完結編をより楽しめるはずです!
マリの正体は、マンガ版の番外編で明らかになっていますよ♪
あつこんさん
コメントありがとうございます!
確かに漫画版のエクストラでマリが登場してますね(´ ▽`)
これはあくまで個人的な考えなのですが、アニメ版をベースにしている漫画版と新劇場版は別物だと思っています。(新劇場版では碇ユイの旧姓が綾波に変更されていたり等)
おそらく新劇場版のマリも漫画版同様にユイとゲンドウの同期という設定になると思いますが、まだマリの設定がリンクしているのか確定していないので、あえて断定はしていません。
完結編でその辺りの関係性も明らかになるのを期待しています٩(๑•̀ω•́๑)۶
なるほどー 深い考察に頭が下がります。
他のまとめ&考察もとてもわかりやすかったです。
完結編のまとめも楽しみにしてます♪
あつこんさん
他の記事もご覧頂きありがとうございます!
そう言って頂けるとすごく嬉しいです!
完結編も自分の手に負えそうでしたらまとめますね(`・∀・´)
そういやあかおる君のなまえのゆらいしってる!
すごいわかりやすくておバカな僕でも理解できて、お陰で完結編がより楽しめました。
完結編の記事もすっごい楽しみにしています。
Ohsさん
記事がお役に立てたようでよかったです〜٩(๑•̀ω•́๑)۶
ありがとうございます!
完結編もいずれ記事にまとめたいと思います!
どの他の考察者のものより一番わかりやすくいつも素晴らしいです!
完結編の解説も是非楽しみにしています。
82さん
ありがとうございます!(´ ▽`)
そう言って頂けるのは嬉しいです!
完結編もゆっくりとですが、まとめますね!