アニメ PR

劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」が泣けない理由まとめ

〜記事内に商品プロモーションを含む場合があります〜

「泣ける作品」として一大ブームを巻き起こした「君の膵臓をたべたい」。

2018年9月1日にアニメ劇場版が公開されたので、映画館に足を運んできました。

事前に聞いていた口コミでは「絶対泣ける良作」「100回観て100回泣ける」と、とにかく泣ける映画といった評価が多く見受けられました。

ただ結論からお伝えしておくと、僕は泣けませんでした。

映画の内容自体はグラフィックも綺麗でメッセージ性もあって、グッとくるシーンもあったのですが……最後まで涙は出ませんでした。

なので、このページでは「なぜ泣けなかったのか?」その理由についてまとめておきます。

泣けない側の1つの意見として、参考になれば幸いです。

この記事は映画を観た方を対象としており、核心に迫るようなネタバレを含むのでご注意ください。

それと僕は作品自体はとても好きで、今回はあくまで「泣けなかった理由」についてまとめています。

また当記事で使用している画像の引用元は、「君の膵臓をたべたいアニメフィルムパートナーズ」です。

「君の膵臓をたべたい」とは?

原作は住野よるさんの小説で、2015年に発行されてから数々の賞を受賞しています。

実は住野よるさんはこれがデビュー作です。

「君の膵臓を食べたい」は、元々小説投稿サイトに投稿されていたのですが、そこで反響を呼び出版に至ったという経緯があります。

そして、2017年に実写映画化、2018年にアニメ映画化という流れです。

作品のストーリーは

他人に興味がない主人公「春樹」と、膵臓の病気で余命わずかしかない「桜良」。

この性格が正反対の2人が、徐々に惹かれ合い、心を通わせながら成長していく。

というものです。

ちなみに読みやすいジュニア版や

コミックス版も出版されています。

「君の膵臓をたべたい」が泣けない理由

①桜良の親友である恭子の存在

泣けなかった理由として一番大きかったのが、桜良の親友である「恭子の存在」です。

僕は恭子のおかれた立場を考慮したとしても、どうしても恭子のことが好きになれませんでした。

特徴的だったのが次に挙げる2つのシーンです。

春樹へ警告するシーン

クラス1地味な春樹と桜良が仲良くしている場面を目撃した恭子。

恭子は桜良に「あいつに桜良はもったいないから止めておきなって」と忠告します。

ここまでは桜良のことを心配している親友という認識だったのですが、次のシーンで完全に恭子の認識が変わりました。

恭子は学校の階段の踊り場で、春樹に対して脅しともとれる言葉を口にします。

「桜良を傷つけるようなことがあれば……、本気で殺すから」

そして、春樹の胸ぐらを掴んで締め上げています(この時に春樹は持っていた小説を階下へ落としてしまいます)。

親友である桜良が大切で心配なのは分かります。

しかし「本気で殺すから」といった脅しや、自分の思い通りにならないことに対して、暴力で解決しようとするのは絶対にしてはいけないことです。

恭子はかなり自己中心的な性格な上に、気に入らないことがあれば暴力にも訴える人なんだと感じました。

まして事前に桜良自身が「春樹とは仲良しだから大丈夫」と説明しているのです。

本当の親友なら、桜良のことを信じてあげるのが筋だとも思いました。

桜良は恭子のことを「少し気が強い子」と言っていましたが、もはや「気が強い」という範疇を超えてしまっています。

春樹が恭子に共病文庫を見せたシーン

桜良が生前に書いていた「共病文庫」。

その日記にはお世話になった人々に対しての遺言が記されていましたが、その文庫をどうするのかは春樹に委ねられました。

そして、春樹は勇気を出して桜良の余命がわずかしかなかったことを恭子に伝え、桜良が書いていた共病文庫を見せます。

しかし、そこで恭子は信じられない言葉を口にします。

「なんでお前は私に教えなかったのか! 絶対許さないから!」

さらに、春樹の頬を平手打ちするという暴挙。

春樹は桜良に「誰にも私の病気のことは言わないで欲しい」と頼まれ、桜良の気持ちを汲んで病気のことを黙っていたのです(日記にも書いてあります)。

それにも関わらず、「なぜ教えなかったのか!(バシッ)」って……。

桜良に病気のことを教えてもらえなかったことがショックだったのは分かるのですが、それを春樹に八つ当たりするのはお門違いだと思いました。

シャオ
シャオ

本当に何様なんだろう?

拗ねているだけじゃないのかな?

申し訳ないのですが、恭子にはこういった印象を抱いてしまいました。

もちろん、春樹が最後のシーンで恭子に対して言った「友達になってくれませんか?」への伏線だったのだとは思います。

  • 春樹が成長して人と関わりたいと思えたこと
  • 桜良が春樹に「恭子とも仲良くして欲しいんだけどな〜」と言っていたこと

この2つの伏線を回収した上で、春樹の成長をより際立たせるために、あえて2人の不仲を強調しておいたのだと思います。

しかし、そのせいか恭子は自己中心的で全く他人の気持ちに配慮のない人物になってしまっていて、結果的に僕はどうしても恭子のことが好きになれませんでした。

スポンサーリンク

②運命の演出が強引だった

劇中で運命の演出が強引だった箇所が結構ありました。

例えば、

  1. クラスメイトの春樹が桜良と同じ病院に通っていた
  2. 桜良が病院で共病文庫を落としてしまう
  3. 春樹がそれを目撃し共病文庫を拾う
  4. 春樹が共病文庫の中身を見てしまう
  5. そのタイミングで桜良が戻ってくる

このようにして、春樹は桜良の余命がわずかであることを知る訳ですが、かなりの偶然が重なっています。

また春樹と桜良が2人で旅行に出かけた時も、本来は一部屋ずつ予約していたにも関わらず、ホテル側の手違いで同部屋になっていました。

その他にも2人が心を通わせ始めた時の

「あなたに会うために生まれてきた」

「君と出会う、ただそれだけのために選択して生きてきた」

もちろん運命と言ってしまえば聞こえは良いのですが、「強引に運命を演出した」という印象が強く、少し違和感を覚えてしまいました。

③桜良の闘病シーンの描写をもっと見たかった

桜良の闘病について掘り下げるエピソードがあれば、もっと感情移入できたと思います。

桜良の闘病に関するシーンは

  • 旅行に行った時に、春樹が桜良の荷物から大量の薬やインスリン注射を見つける
  • ゲーム中の「もし死ぬのがめちゃくちゃ怖いって言ったら?」という桜良からの質問
  • 入院中、母親に自分が亡くなった後のことをお願いするシーン

明るくて周りに心配をかけたくないという桜良の性格は分かるのですが、桜良が苦悩する部分をもっと掘り下げて欲しいと思いました。

しかも桜良は「これから本格的に病気と闘っていくんだな……」と思った矢先に通り魔に殺されてしまいます。

意外性という意味ではとても驚きましたが、なんだか置いていかれた感覚がすごくて、感情移入する前にヒロインが死を迎えてしまいました。

また春樹が共病文庫を読んだ時に、桜良と対話するシーンがありましたが、正直ファンタジー感が強すぎて思考停止してしまいました。

それまでのシリアスさが一気になくなってしまったのが残念です。

ただ、春樹が桜良のお母さんに共病文庫を読ませて欲しいと申し出た際の

「あなただったのね……来てくれてよかった。」

と言ってお母さんが泣き崩れるシーンや

桜良がお母さんに自分が亡くなった後のことをお願いする

「私の病気のことと共病文庫の存在を、唯一知っている人がいる。臆病な人だから葬儀には来ないかもしれないけど、日記は必ず取りにくるから渡して欲しい。」

という場面は、春樹のことを理解している桜良にグッとくるものがありました。

実写版「君の膵臓をたべたい」もおすすめ

「君の膵臓をたべたい」はアニメ版の他に実写版もあるので、まだ見ていない方はぜひ実写版も見てみてください。

実写版は原作に忠実なアニメ版とは違ったストーリー展開となっており、2作品を見比べてみると面白いです。

見る方法としては、実写版が見放題コンテンツに入っている「U-NEXT」を活用するのがおすすめです。

アニメ版もポイント制ですが、見ることができます。

U-NEXTはこちら

劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」が泣けない理由│まとめ

僕は泣くことはできませんでしたが、命の尊さや大切な人と過ごす時間を大切にしたいと思わせてくれる映画でした。

この作品は

  • 生きることは誰かと心を通わせること
  • 今起こっていることは偶然ではなく、それぞれが自分で選択した結果

こういったことを学べる、非常にメッセージ性の強い作品でした。

全体的にグラフィック(特に桜の描写)が綺麗で、春樹と桜良が2人で旅行に行くシーンを見ていると、高校生に戻りたくなります。

また春樹が成長して徐々に変わっていく過程も、リアリティがあってよかったです。

特に旅行から帰ってきて電車から降りるシーン。

桜良「さては楽しかったな?」

春樹「ああ、楽しかったよ。じゃ」

桜良「え?えぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!」

それまで人を避けて感情を出さなかった春樹が、桜良に対して素直に楽しかったと伝えたのは大きな変化でした。

桜良が買ってくれた帽子をちゃっかり被っていたのも可愛いかったです。

そして、ガムくんは最後までいい奴でしたが、エンドロールの名前が「ガムくん」なのは笑いました。

まとめると、泣ける作品というよりは、命の尊さや大切な人と過ごす時間を大切にしようと再認識させてくれる作品だったと思います。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA