先日、自宅で「ガス設備の法定点検」を受けました。
ただガス設備の法定点検って普段は全く聞き慣れない言葉なので、連絡が来た時はすごく戸惑ったんですよね。
え? 法定点検って何?
必ず受けなければいけないの?
と疑問ばかりでした。
特に一番気になったのが無視や拒否をした場合の「罰則」です。
先に罰則に関してだけお伝えしておくと、無視や拒否をしても消費者に対して法的な罰則はありません。
ただ、後のリスクを考慮すると間違いなく受けておいた方がいいということが分かりました。
このページでは、ガス設備の法定点検で悩んでいる方に向けて、
- ガスの法定点検の概要
- ガス点検の流れ
- ガス点検を受けておくべき理由
これらについてまとめておきます。
このページを読むことで、ガスの法定点検の一通りの知識を身につけられるはずです!
ガス設備の法定点検とは?
まずは「ガス設備の法定点検」についてですが、これは法律でガス事業者に課されているガスの定期点検のことです。
簡単に言うと、
ガス事業者はガスに異常がないか、数年に1回は各家を訪問して点検してね!
というもので、液化石油ガス法やガス事業法に定められています。
法定点検はガスの消費者ではなく、ガスを供給しているガス事業者に法律で義務付けられているものなのです。
なので法定点検の際に費用はかからず、点検自体は無料で行ってもらえます。
ガス点検の流れ
①事前にガス事業者から連絡が来る
法定点検はガス事業者に課されているものなので、点検の時期になればガス事業者から連絡が来ます。
頻度としては4年に1回程度なので、賃貸などで頻繁に引っ越しをしている場合は、点検の時期とかぶらない方もいるかと思います。
逆に4年以上同じ場所に住んでいるのに連絡がこないという場合は、ガス会社を見直した方がいいです。
通知は主に郵送で行われますが、ガス事業者によっては直接の訪問や電話で連絡をしてくるところもあるようです。
僕の場合は郵便でお知らせが送られてきました。
ちなみに僕は1人暮らしで、住んでいるアパートはプロパンガスを使っています。
「LPガス」と「プロパンガス」は同じものを指します。
LPガス(Liquefied Petroleum Gas)は「液化された石油ガス」のことです。
LPガスには「プロパン」が多く含まれているので、別称としてプロパンガスとも呼ばれています。
ガス設備法定点検のご案内。

こちらから都合のよい日程を連絡して欲しいとのことだったので、僕の方からガス供給会社が認定した調査機関に電話をして日程を決めました(手紙に電話番号が記載されています)。
法定点検当日は荷物の受取りのように、予定時刻から2時間くらい幅を見て欲しいと言われました。
②ガス点検当日の流れ
法定点検には立ち会いが必須です。
点検当日は自分の部屋の中に作業員の方を入れることになるので、他人に見られたくないものなどがある場合は事前に片付けておきましょう。
僕の場合は30代前半くらいの渋いおっちゃんが、点検の機材を持って1人でやってきました。
挨拶もそこそこにさっそく点検開始。
点検内容に関しては送られてきた手紙に、
- CO警報器のお取替
- ガス漏れ警報器のお取替
- ガスメーターのお取替
- ガス調整器のお取替
- ゴムホースのお取替
- ホースバンドのお取替
- ヒューズコックのお取替
(いずれか対象のもの)
とありましたが、僕の場合は
- 部屋の中の警報機2つ
- 廊下にあるガスメーターとガス調整器
- コンロのガス栓
- 給湯器
- ストーブ
これらを点検していました。
点検時間は大体30分くらいで、点検後に「点検を受けました」「器具を交換してもらいました」という確認の書類4枚ほどに押印して、控えを1枚もらって終わりです。
思っていたよりもあっという間に終わりました。
- 作業の邪魔にならないように、ガス関連機器周りの片付けをしておこう
③ガスの警報機に関して
ちなみに今回の法定点検で、僕は2つの警報機を交換してもらいました。
いつも僕は「なんだこれ?」って思っていたものだったんですけど、詳細を聞いたらとんでもなくハイテクなものでした。
この2つの警報機は「一酸化炭素用」と「プロパンガス用」のもので、万が一漏れが確認出来た場合に、すぐに本部の方に連絡が行きガスが止まる仕組みになっています。
ちなみに一酸化炭素の方が危険なので、万が一不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生した場合は音声で知らせてくれます。
一酸化炭素は空気より軽いので上から溜まるぞ。
なので、天井から20センチ付近の壁に設置するのだ。
一方でプロパンガスの警報機。
プロパンガスは空気より重いので下から溜まるぞ。
なので、床から20センチ付近の壁に設置するのだ。
都市ガスの場合は空気よりも軽いので、警報機は天井近くに設置されます。
お、おもしろい!
時代の進歩で今のガスのセキュリティはかなり万全なものとなっているので、ほとんど事故はないそうです。
札幌市内を例に挙げれば、事故があったとしても年に数件程度で、その理由も勝手に給湯器を変えたなどの人為的なものなのだそうです。
いつの間にか最初に思っていた「面倒だな……」「早く終わらないかな……」という気持ちが一変し、いつの間にか前のめりで聞き入ってしまいました。
ガス点検を無視や拒否した場合の罰則は?
個人的に最も気になっていたのが、法定点検を受けなかった場合の罰則に関してです。
せっかくなのでおっちゃんに色々と質問させて頂きました。
ガスの法定点検はガス事業者に法律で義務付けられているものなので、消費者に法的な罰則はありません。
ただ、それ以外でありました。
①消費者が受ける罰則
法定点検を無視や拒否すると罰則ってあるんですか?
あるよ
一瞬、僕の部屋がバーになりました。
法定点検を無視や拒否した場合、罰則としてガス会社にガスの供給を止められます。
ガスを止められた場合は、点検・調査を受けて安全が確認できれば供給を再開することが出来ます。
ただし、ガスを止める時とガスの供給を再開させる時にガス会社からお金の請求が来ます。
僕の場合はそれぞれ5,000円(税込)ほどで、合計で1万円(税込)かかるとのことでした。
【法定点検を無視や拒否した場合の罰則】
- ガスの供給を止められる
- ガスの供給停止とガスの供給再開の際にお金の請求が来る
稀に法定点検を拒否されても、ガスを止めないガス会社もあるそうです。
これはガス会社が自分達の利益を重視しているケースです。
この場合は特に罰則がないかなり稀なケースですが、安全より利益を追求する会社であれば、個人的にはすぐに換えた方がいいと思います。
②その他のリスク
あとは罰則だけではなくリスクもあります。
例えば定期的に点検を受けておかないと、機器の不具合によるガス漏れや事故に気付けないことがあります。
その結果、
- ガスが爆発して部屋が吹き飛んだら?
- ガスが原因で火事になって建物が全焼したら?
自分自身が大きな怪我をしてしまう危険もあります。
それに隣人にケガなどをさせてしまって、迷惑をかけてしまうこともあります。
事故が起こって後悔する前に、法定点検を受けてこういったリスクを回避しておいた方が賢明だと思いました。
【その他のリスク】
- 自分自身が怪我をしてしまう可能性がある
- 隣人にケガなどをさせてしまって、迷惑をかけてしまう可能性がある
ガス点検の現場の方々の苦労
僕は最初、他人を家に入れることに抵抗があったのですが、やはりそういった方は多いみたいです。
やっぱり家に他人を入れたくない人とかいますよね?
酷いことを言われたことありますか?
あるよ
おっちゃんはこの道10年のベテランでした。
今までに
さっさと帰れ! わしゃ騙されんぞ!
誰が他人を家に入れるか!
法定点検? そんなの知らねぇよ!
などの言葉をかけられたことがあったそうです。
なので、今回のようにお客さんから日程の連絡をしてきてくれたケースは助かると言っていました。
もちろん人に罵声を浴びせるのは駄目ですが、他人を家に入れたくない気持ちは凄く分かります。
特に女性の1人暮らしの方とかは、他人を家に入れるのってめっちゃ不安ですよね。
それにガスの法定点検に来てくれるのって大体30代〜40代の男性の方です。
いくら法定点検と言えど、知らない男性を部屋に入れて2人きり……、という状況は普通に考えて怖いと思います。
僕はこの前1人暮らしをしている女性のガスの法定点検に立ち会ったのですが、普通に考えて怖いよなーって思いました。
(もちろん何もありませんでしたが)
なので、1人暮らしの女性は点検中は玄関のドアを開けっ放しにしたり、友人や知人に立ち会ってもらうのがいいと思います。
ガス点検を騙る悪質な業者に要注意!
お客さんに拒否される背景には、悪質な建設業者や水道業者の存在が関係しているということも教えてもらいました。
例えば、点検だと称して家を訪問した際に、
- 業者自らシロアリを放つ
- 予め用意していた水を撒いて水漏れを装う
こういったことを行っている悪意な業者もいるそうです。
最終的に不安を煽って工事を勧める訳ですが、もちろん工事は形だけ。
ガス業界でもそういう詐欺ってあったりするんですか?
あるよ
例えば、いきなり訪問してきて「ガスの料金が未払いですよ?」と言って、現金で徴収しようとする業者もいるそうです。
ただ基本的にプロパンガス(LPガス協会)は、支払いが必要な場合は振込で支払ってもらっているので、現金で徴収することはないとのことです。
つまり、いきなり訪問してきてプロパンガスの支払いを現金で要求してきたら怪しいよってことですね。
そういった不審者が訪問してきたら、すぐに契約しているガス会社に連絡して確認しましょう。
【ガス点検】ガス設備法定点検の内容!無視や拒否をするとどんな罰則があるのか?│まとめ
今回僕は法定点検を受けることで、様々なことを学ばせて頂きました。
ただ法定点検に対して面倒くさい気持ちも、他人を家に入れたくない気持ちも凄く分かります。
ですが、安全に生活を送るためにも絶対に受けておいた方がいいと思いました。
時間は30分くらいで済みますし、費用はかかりませんしね。
ちなみに僕の家のガス設備は全く異常なしで、法定点検を受けて安心しました。
受けることで「安心な気持ちになれること」も、法定点検の大きなメリットだと思います。
>受けてきた
自宅じゃないんですか?
通りすがりさん
自宅です!
表現が分かりづらくて申し訳ありません。
該当箇所を修正させて頂きました!
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
色々と参考になりました。
既に数回、点検通知を無視してきたのですが、また今日、通知が届きました。
家の中の収納スペースが少ないために部屋の中に色々と物を置いているので
それらを片付けるとなると大変(というより無理)。
何とか今回も回避できないかな・・・と思っているのですが。
頭痛の種さん
コメントありがとうございます!
参考になったのであれば嬉しいですm(_ _)m
部屋の片付け大変ですよね!
自分も大変だったので頭痛の種さんのお気持ちはよく分かります(´;ω;`)
詐欺と区別がつかないのが嫌なんだよね。
制服着てるがどうぜ下請けの別会社だし、身分証明書見せられてもそれが本物かなんてわからんし、今どき偽造なんてパソコンで簡単に作れるし。
ガス、電気、電話
コメントありがとうございますm(_ _)m
おっしゃる通り確かにそういった詐欺もありますもんね。
つい疑ってしまう気持ちは僕もよく分かります!
国や市が何かしらの対策をしてくれればありがたいですが、基本的に自衛するしかないですよね。
もしガスが爆発して部屋が吹き飛んだら?
ガスが原因で家事になってアパートやマンションが全焼したら?
法定点検を拒否して事故が起こった場合、責任を問われて損害賠償等に発展する可能性もある
なんだか人の不安を煽ってるだけやね。
法定点検を受けようが受けまいが、事故れば使用者(契約者)が家主への賠償責任を負いますよ。
その為に、火災保険があるんです。
ちなみに隣家への被害は過失なら損害賠償責任は免責です。
たとえ、点検翌日に事故しても、点検会社は法的責任を負いません。
SEO対策する暇あるならもう少し勉強してから記事書けば?
翌日に事故があれば、経済産業省に処罰を受けます。詳しく言えば長くなるので省略しますが。ガス事故には2種類あります。配管内外のガス漏れでの事故。ガス器具を間違った使用用途に使う。普通に点検して周知事項など聞いていたら。翌日に事故などあり得ないです。
私も書類が届いて明日検査して頂きます。万が一「詐欺だったら…」と不安になり検索していたので、こちらを見て安心しました。ありがとうございます。
「一瞬、僕の部屋がバーになりました」
分かる方には分かるネタですね(笑)
スメラギさん
返信が遅くなってしまってすいませんm(_ _)m
今日法定点検を受けられるんですね!
不安に思う気持ちは僕もよく分かります(´;ω;`)
点検が異常なくスムーズに終わるといいですね!
それと分かって頂けて嬉しいです笑
本当にそんな感じのおっちゃんでした(´ ▽`)
同じ仕事をしてます。まぁ、客なんて勝手な奴が多いよ。特に賃貸に住んでる奴。
おまえよ、何様だよ。来てもらいたくないんだから来るなよ!点検員如きが!プロパンの組成、比重を聞いても知らなかったぞ。その程度も知らねー奴が。コンロに点火しただあけじゃねーか。素人以下が偉そうに。
少なくとも資格を持っているのであなたよりは素人じゃないですね
過去にその仕事してました。今は逆に客としてアパートでLPガスを使ってます。保安点検を行っていた時はよく居留守されましたw 郵便でも電話でも何度現場に行っても拒否。もちろん安全を確認させて頂けない以上ガス止めさせて頂きました。正直部屋の中が散らかっていようが点検作業に支障がなければどうでもいいんです。保安点検が規定通り行えてガスが漏れていないかどうか確認できればそれでいいんです。部屋を見るために点検しに行くわけじゃないですので、決められたことを粛々と作業するだけです。ガスを止めるのはお客さんの安全を確認できないためです。長期点検を受けないで使用するとどうなるか?使うのは消費者でありガス設備を提供しているのはガス事業者であって責任は別です。消費者に事故があれば事業者の責任になり事故があった場合、事業者に対し監督義務を怠ったための罰則や最悪事業停止の処分だってあります。事業者は結果的に「ガスが漏れていたことを知らなかった」では済まないのです。
元ガス屋さん
貴重なコメントありがとうございます!
やっぱり点検を拒否される方は多いですよね(´;ω;`)
家に点検に来てくださった作業員の方も点検の拒否が多くて苦労していると話していました。
・点検しに行っても拒否されてしまう
・しかし、万が一事故があれば罰則などの処分を受ける
これは事業者の方々の辛いところですね。
実際にガスの法定点検を受けてみて、消費者側の気持ちも事業者側の気持ちも分かったのですが、制度自体の改善が必要だと感じましたm(_ _)m
以前、法定点検のことについて調べたときに、住民が建物内への立ち入りを拒否した場合には点検を行えなくてもやむを得ない。そのことに対して罰則は無いという記載が法令内にあったと思います。根拠なく不安を煽るような記述はしないほうが良いと思います。
こんにちは、まさにタイムリーな話題です。
自分のところにもこの通知が来て、まさに色んな理由をつけて延ばし延ばし、挙句の果ては免れる方向に持って行ってる最中でした。
1人暮らし故、そういった上がり込む作業員による盗聴器仕掛け問題とかも多々聞くじゃないですか。なるべく上がって欲しくないのです。拒否ることでガスの供給を止められたら、カセットコンロに切り替えようかなと思っています。
さばんなさん
コメントありがとうございます!
確かに盗聴器を仕掛ける悪い人もいますよね。
他人を家にあげたくない気持ちもすごく分かります。
やはり行政の改善が必要だなと思います。
カセットコンロ…それは最終手段ですね(゜ロ゜)